Daily Life

日常生活を改善しないと
治療が「水の泡」に

鍼灸と、無理のない日常は両輪

つまり、治療とは別に、日常生活の改善も非常に大切です。「治療」と「日常生活の改善」は、痛みをとるための両輪です。

執筆・監修: 高野義道(院長)/ はり師・きゅう師国家資格 / 開業28年 / 日常生活改善の案内

効果には個人差があります。同じ生活改善で同じ結果をお約束するものではありません。

Quick Answerズバリの回答

「治療」と「日常生活の改善」は、痛みをとるための両輪です。

「日常生活」を「改善」しなければ、治療が「水の泡」になる——日常生活を改善しなければ、治るスピードがかなり落ちますし、治ったとしても時期が来れば再発します。

Warning厳重注意 — 「日常生活」を改善しなければ、治療が「水の泡」に

たとえて表現するなら、ヤカンに火をかけてお湯を沸かしている最中に、上から冷や水を注ぐような行為です。

ここでいう「冷や水」とは、「日常生活における体にとっての無理なこと」を指します。

つまり、治療とは別に、日常生活の改善も非常に大切であると言いたいのです。

「治療」と「日常生活の改善」は、痛みをとるための両輪なのです。

日常生活を改善しなければ、治るスピードがかなり落ちますし、治ったとしても時期が来れば再発します。そして、再発のたびに病根が深くなるために、最終的にかなり難儀な慢性痛に至ることもめずらしくありません。

Note無理なこととは — たき火のたとえ

では無理なこととは、どんなことを指すのでしょうか。実はこれが、非常に難しいのです。

しかし、これを理解しないと、特に慢性痛の期間が長い方は十中八九良くなりません。そればかりか、治療で改善させればさせるほど、逆に悪化していくことさえあります。

たき火を例にすると、燃えている火に、いきなり、大きい薪をくべて火を消したり小さくしてしまい、その後なんとか燃えだしたら、もう大丈夫だろうと勘違いし、また大きすぎる薪をくべる——それをずっと繰り返してしまうような感じと言えます。ただ、問題なのは、たき火をしたことがない方の場合、薪の大きさがちょうどいいのかどうかすらも分からないことです。ここが難しいところなのです。

たき火を大きく燃やすためには(鍼灸治療を効果的に行うためには)、次の3つが必要です。

  • 雨の当たらない環境」(生活環境)
  • 乾いた薪や点火装置」(個々に合わせた針ともぐさ)
  • 燃やす手順・技術」(鍼灸学術)

自分の生活スタイルを変えないままに、治療をしても治らないとおっしゃる方も大変に多いのですが、それは、道具や、技術はそろっているのに、雨でずぶぬれの中で火を起こそうとしているのと同義なのです。それはもう治る訳がありません。

Note無理は、自覚しにくい

それを深く考えたことがない場合、何が無理なことなのか、なかなか理解できません。

なぜなら、客観的には無理なことだと思われることでも、主観的には、それが無理なことだとは思いもしないし、そんなことは寝耳に水だということもよくあります。

以前、五十肩が発症し半年以上治まらずに当院を受診した方がいますが、その方も、無理なことが何なのか全く理解していませんでした。

治療をして少し改善したかと思うと、その後悪化、また少し良くなったかと思うと、また悪化——それの繰り返し。「無理なことをしてませんか」と聞いても、していないの一点張り。そこで、行動を詳しく分析するために根掘り葉掘りと行動内容を調査しました。そうしたら、出るは出るは、無理なことばかりしていました。

How To「無理をしないように」とは、具体的にどんなこと?

日常生活においての動きを押さえるということです。

普通に歩く時でさえも少しゆっくり歩くなど意識していただかなければならないようなこともございます。

痛みが激しい時は意識しなくても動けないので自分では動いているようでも健康な時と比較すれば動いていないものです。

問題は、治りかけた時や、治った時です。このように回復してくると自然と無意識に歩くだけでもスピードが上がっていたりするのです。

このようにすぐに通常の日常生活に戻ると痛みがそれまでよりも激しくぶり返すことがあります。

つまり、日常生活や仕事に趣味等これまでなんとも思わなかった普通の事が、実は、平均的な人の活動よりも激しかったりしていたのです。

特に腰部脊柱管狭窄症などの症状に至っておられる方は活動的な方が多いのが概ね共通の特性のようですが、自分では無理をした覚えが一切ないのになぜこのような病気になるのかと疑問に思われたりします。

平均的な人と比較した場合かなり活動的な人なのに、自分ではちっとも活動的などとは思っていなかったりするのです。活動的な方の場合、運動などで悪化させている時でさえも「私は無理をしていない」と言われます。

この事のご理解は非常に難しいところですが、どうかご理解いただきたいと存じます。

無理をしないようにとは、症状が改善して普通に動けるようになった時でもしばらくは意識的にゆっくり歩くなどして養生に心がけたり、痛みの強い時には趣味やスポーツそして筋トレなどを絶対にしないように心がけることです。ストレッチやヨガですら体に障る事だって多々あります。

ただし仕事は休めませんので時々休憩を取りながらでもだましだましに行う必要がございますが。

趣味やスポーツをしながら悪化させているのに痛みが取れないと言われる方が多くいますが、治らないのは当然なのです。

Q&A「無理をしないとは?」→ 重要事項説明(ハブ)→

治るまでには、時間もかかりますし、治すという明確な根性と根気も必要ですが、最終的には痛みのない普通の日常生活を取り戻すことが100%ではないとしてもできるようになると思いますので、悲観することなく、しっかりとした鍼灸治療と無理のない生活を続けていただければと存じます。

詳しい生活指導は、来院時にお渡しする生活指導書(院長声明)でもお伝えしています(インターネットでは公開していません)。効果には個人差があります。

Example無理をしない人のお手本のような人

運動をほとんどしない生活の例です。慢性の強い痛みでお困りの方には、考え方の参考になる場合もあると思います。

  • 運動は大嫌いで、読書などが大好き。
  • 一切運動をしないにも関わらず、90歳を過ぎても、健康でピンピンしており、寝たきりにもならない。
  • 運動をしないので当然筋肉量は少ないが、だからと言って、たいして痛いところもない。

ここまで極端に運動をしないのははっきり言って問題ですが、慢性で痛みが強い方には、このような生活ぶりが大いに参考になると思います。

これ、実は亡くなった私の祖父のことです。最後は老衰で大往生でしたが、まあ、ピンピンころりに近かったです。

「運動をしないとすぐに寝たきりになる」とのご心配は十分に理解できますが、一方では、運動もしないのに痛いところもなく、寝たきりにならずに生き抜いた祖父のような人もいるとご理解いただければと存じます。

FAQよくある質問

日常生活と治療の関係について、よくいただくご質問です。

鍼灸の治療だけでは足りないのですか?
治療と日常生活の改善は、痛みをとるための両輪です。日常生活を改善しなければ、治るスピードがかなり落ちますし、治ったとしても再発しやすくなります。鍼灸と並行して、無理のない日常を続けることが大切です。
「無理をしない」とは、具体的にどういうことですか?
日常生活における動きを押さえることです。普通に歩くときでも少しゆっくり歩くなど、意識していただく必要があることもあります。治りかけたときや治ったときに、すぐ通常のペースに戻ると、痛みがそれまでより激しくぶり返すことがあります。痛みが強いときは、趣味やスポーツ・筋トレなどは休むべきです。仕事は休めない場合も多いので、時々休憩を取りながら進めていただく形になります。詳しくはQ&A「無理をしないとは?」もご覧ください。
治療で少し良くなったのに、また悪化することがありますか?
あります。治療をして少し改善したかと思うとその後悪化、また少し良くなったかと思うとまた悪化——それの繰り返しになる方もいます。「無理なことをしてませんか」と聞いても、していないの一点張り——そういう方もいます。行動を細かく見直す必要がある、と考えています。
運動しないと体に悪いのでは?
一般的に運動の大切さは理解できます。一方で、痛みが強く慢性的な方には、極端に運動を控えても寝たきりにならずに過ごせた例も参考になる、と私は考えています。問題は、痛いのに趣味やスポーツを続けて悪化させているのに、治らないとおっしゃるケースです。症状に合わせて、休む時期と動く時期を分ける必要があります。効果には個人差があります。
宮崎で相談・予約したいのですが?
宮崎市大塚台の当院へお気軽にどうぞ。ネット予約は「はじめて」からお選びください。会員価格の目安はしっかりエコー鍼灸 5,500円〜(税込)です。詳しくは料金表をご覧ください。

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院長 高野義道

執筆・監修: 高野義道

はり師(第102346号)・きゅう師(第102332号)国家資格 / 学士(鍼灸学)第827号 / 開業28年

最終更新: 2026-06-04

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