この回で紹介するツボ
- 手三里(てさんり) — 肘の外側のしわから親指方向へ指三本分。「ズ~ン」と感じたら息を吐き、左右十回
- 足三里(あしさんり) — 膝蓋の外側斜め下のくぼみから指四本下。手三里と同じ呼吸(胃酸過多・お子さんは控える)
まず「八分目」の生活。夏バテの時期は、冷たい飲み物ばかりにしないことも大切です。
この記事は、宮崎県庁「医療薬務課」の依頼により執筆した、宮崎日日新聞「元気のススメ」への全4回の連載の、第2回です。第1回はストレス解消のツボ、第3回は笑顔のツボ、第4回は眼精疲労のツボです。
※疲れの取り方には個人差があります。
なぜ疲れるのか。それは、頑張り過ぎた身と心を自分自身に理解させるためです。体力を回復させ、病気を防ぐために必要な反応です。
まずは疲労予防です。飲食、運動、仕事、勉強、遊び、世話焼き、体調不良時以外の睡眠や休息などを、すべて適量の「八分目」にしましょう。
この時期の疲れ「夏バテ」。かかる人の多くは、梅雨頃から冷たい飲食ばかりです。胃腸が冷えて疲れ、食事量や運動量も低下します。元気を出そうと食べますが、再び、冷やし素麺やスイカなどを食べて悪化するのです。予防には、毎回の食事に熱いお茶を飲んだり、油物を控えるなど心がけます。回復には、温かく消化にも良く、少し汗ばむ食事の工夫が必要です。
そこで今回は、胃腸を整え、同時に全身の疲れを取るツボ、大腸経の「手三里」、胃経の「足三里」を紹介します。
大腸経・胃経を経絡と呼びます。経絡は線路。ツボは駅。線路には「気」が通ります。大腸経は手の第二指から鼻穴の横を結び、途中、肩で分岐し大腸に繋がります。胃経は目の下から胃を通り、足の第二指に結びます。
手三里(てさんり)
手三里は、肘を曲げた外側のしわから、親指に向けて指三本分の所です。押さえると「ズ~ン」と響き、手から顔の疲れに効き、その刺激は大腸にも至り、お腹も楽になります。
※教科書の取穴(手の大腸経・第十穴「手三里」):前腕後外側、陽谿(ようけい)と曲池(きょくち)を結ぶ線上、肘窩横紋(曲池)の下方二寸。連載文は肘を曲げた外側のしわから親指方向へ指三本分です。
まず手三里に指先を当て、大きく息を吸います。次に押さえ、「ズ~ン」と感じたら息を全部吐き出し、左右十回ほど繰り返します。ついで両手を腰に当て、温もりを感じましょう。
足三里(あしさんり)
足三里は、膝を立て、膝蓋(皿)の中心より外側斜め下のくぼみから指四本下と、すねの骨から少し外側とを結ぶ所です。足の疲れをとり、同時に胃の働きを良くするなど、健康増進、長生きのツボです。
※教科書の取穴(足の胃経・第三十六穴「足三里」):下腿前面、犢鼻(とくび)と解谿(かいけい)を結ぶ線上、犢鼻の下方三寸、脛骨前縁の外方一横指。連載文の「膝蓋外側斜め下のくぼみから指四本下」は同身寸の目安です。
※連載原文どおり、胃酸過多の方やお子さんは足三里の刺激を行わないでください。
手三里と同じ要領で押さえます。鍼灸ではより丁寧に扱える場合があります(効果には個人差があります)。
東洋医学に関する問い合わせは、国家免許を持つ、かかりつけの鍼灸(しんきゅう)師、マッサージ指圧師まで。(県鍼灸マッサージ師会法制部長・高野義道)