この回で紹介するツボ
- 外関(がいかん) — 手首からひじへ指三本分。吸って押し、吐いて離す、を十回
- 阿是穴(あぜけつ) — つらい所を押して気持ちよい所。外関と同じ呼吸のリズム
この記事は、宮崎県庁「医療薬務課」の依頼により執筆した、宮崎日日新聞「元気のススメ」への全4回の連載の、第1回です。自律神経を安定させるための一方法として、ぜひご一読ください。当院での施術の考え方は自律神経の鍼灸にもまとめています。
※ストレスの解消には個人差があります。
初夏のある日のハイキング中、突然「クマ」が現れました。心臓は高鳴り、あなたはすぐさまその場から逃げ出そうとします。この時、体内では呼吸や鼓動が速くなり、血圧も上昇します。そうする事で必要な酸素やエネルギーを隅々に送り込み、逃げ出せるのです。この反応は自律神経などによる自然で正常な活動であり、不可欠なのです。
ストレスとは?
ストレス源から逃げられず、苦痛を感じる状態を指します。この状態が持続的であるほど、自律神経などに悪影響を及ぼし、体調不良や病気の原因となり得ます。
急ぎ過ぎの現代、仕事も例外ではなく、「量が多く速い仕事」を求められ、容易に逃げられません。解消方法は、ストレス源から「逃げる」ことです。無理ならば体内環境を逃げたときの状態、すなわち自律神経などのバランスを正常に近づけるのです。方法として「ツボ刺激」があります。
外関(がいかん)
「疲れたな~」と感じたら、外関(がいかん)というツボを刺激します。外関は手首のしわの中央(甲側)から、ひじに向けて指三本分上がった所にあります。まず、外関に指先を当てて大きく息を吸います。次に外関を軽く押さえながら息を全部吐き出し、押さえるのをやめます。これを十回繰り返しましょう。これだけで、全身の緊張が少し取れることがあります(感じ方には個人差があります)。両方でも片方でも構いません。
※教科書の取穴(手の三焦経・第五穴「外関」):前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方二寸。連載文は手関節背側のしわの中央(甲側)からひじへ指三本分です。
阿是穴(あぜけつ)
次は、阿是穴(あぜけつ)というツボを使います。このツボは「あ~そこ!」という意味のツボで、ご自分のつらい場所を押さえて気持ちのよい所にあたります。外関と同じ要領で、呼吸に合わせて軽く押さえましょう。雨の休日にパートナーとお互いに行うと、より感じやすくなることがあります(感じ方には個人差があります)。
ツボ刺激、呼吸法、休日、雨は「癒やす」のに最適なのです。東洋医学に関する問い合わせは、国家免許を持つ、かかりつけの鍼灸(しんきゅう)師、マッサージ指圧師まで。(県鍼灸マッサージ師会法制部長・高野義道)