痛みを
「いつの間にか忘れさせる」
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セルフケアの具体化
Aβ神経(触覚・圧の太い神経)を長時間働かせ、痛みの通るゲートを閉じやすくする——それが高野鍼灸セルフケア法です。
理論のくわしい説明は 理論編 へ。院内で貼り方を学びたい方は GCT(てい鍼治療) へ。
執筆・監修: 高野義道(院長)/ はり師・きゅう師国家資格 / 開業28年 / ゲートコントロール理論・セルフケア(実践編)
Practiceはじめに — 2日目・実践編
理論編でお伝えしたとおり、「お目付け役」であるAβ神経を働かせればよい。では、どうすればAβ神経を働かせるのか——それがこのページのテーマです。
Aβ神経は、触覚や圧力が加わると興奮して働き始めます。「働く」とは、触られた感覚や感じた圧力を脊髄に伝えるお仕事です。触・圧が「ある部位」に加わると「スイッチON」となり、Aβ神経が作動します。でも、それが外れると「スイッチOFF」となり、Aβ神経が働かなくなります。
つまり、常にスイッチONにさせればよいのです。
理論編と同じ、動く模式図(簡略版)です。「押さえる・さする・てい鍼」を選ぶと、Aβ神経が働きゲートが閉じる流れが確認できます。
- 患部から痛みの信号が脊髄へ届く
- 押さえる・さする・てい鍼で、触覚・圧の神経(Aβ)が働く
- 脊髄のゲート(門)が閉じ、T細胞から先が遮断され、脳への痛みが弱まる(個人差あり)
※ 「T細胞」は免疫のT細胞ではなく、痛み信号を運ぶ伝達ニューロンの呼び方です。経過・体感には個人差があります。
TENS低周波(TENS)治療との違い
ゲートコントロール理論を応用した電気治療(TENS)もありますが、時間が短いのが弱点です。
まずは、誰もが知っている低周波治療についてから。それは、ゲートコントロール理論を応用した電気治療のことです。TENS(経皮的末梢神経電気刺激)といい、ベタベタしたゲルパッドを肩などに貼って「ピクッピクッ」と電気を流すあれです。家電量販店などにも売っている「低周波治療器」といえば、わかりやすいかもしれません。この「末梢神経」がAβ神経なんです。
この電気治療法ではAβ神経に選択的に電気を流すというわけです。実際には他の神経にも流れている気もしますが、とにかくAβ神経に流れればいいのです。
しかし、電気治療では、あんまり治りませんよね。慢性痛のほとんどの方は、TENSは効きません。とはいうものの、電気治療が終わって、「ちょっとの間だけ楽になる」という方もおられるかもしれません。それは、10〜15分の短い間でも、痛みを一時的に忘れてしまうので、患部の自律神経の交感神経(ストレス神経で血管も筋肉も異常に収縮させてしまう神経)の緊張がとれて、患部がリラックスして、血行も良くなり、筋肉の異常緊張もとれて、症状も一時的に良くなることが考えられるからです。でも、結局良くならない——しばらくすると、また交感神経が緊張し始めて、血管収縮・筋肉の異常緊張が再発する上に、痛みを脳に伝えるゲートは開きっぱなしになる、という流れです。
なぜダメなのかといえば、TENSの時間が短く、すぐにAβ神経のスイッチがOFFになるからだろうと思われます。つまり時間の問題が大きいのではないか、ということです。
では、TENSをする時間を伸ばせばいいのでは? と思われるかもしれませんが、各メーカーの取り扱い説明書に書いてある時間内に終わらせないと、電気を長時間流すことで生じるなんらかの弊害が出る可能性があるので、時間を伸ばすことはやめたほうが良いです。
※ 経過・体感には個人差があります。セルフケアは補助的な方法であり、効果を保証するものではありません。
SwitchAβ神経のスイッチを、長時間ONにする
TENSでは不可能な長時間刺激が、高野鍼灸セルフケア法の強みです。
では、Aβ神経のスイッチを常にONにし、Aβ神経の稼働時間を伸ばし、痛みの通過するゲートを閉鎖させるにはどうしたら良いのか? そして、痛みが脳に伝わらない時間を伸ばすことで、患部をリラックスさせる神経である「副交感神経」を優位にさせ、何重にも「上書き保存」された「慢性的な血行不良」と、「筋肉の異常すぎる緊張」を和らげ、最終的に楽に生きて行くにはどうしたら良いのか?
これを解決する方法が、今回無料でお教えする高野鍼灸セルフケア法です。
TENS(低周波の電気治療)で刺激をする神経と、全く同じ神経に対して、高野鍼灸セルフケア法用いて、TENSでは不可能な長時間刺激をすることができます。
理論編の「謎の人物」の正体
理論編の例え話で、Aβ神経(門番のお目付け役)にムチを打ち働かせる「謎の人物」とは誰か——答えは、自分自身の手です。自分自身の手や指が、ムチを持つ道具となります。もちろんムチも必要です。ムチは「簡単に自作」することができます。
繰り返しますが、Aβ神経は、触覚と圧力を感知した時に作動します。だから、高野鍼灸セルフケアでは「圧力」に着目して、ご自分でケアしていただきます。
Aβ神経は、どこに多く存在しているかというと、「真皮(皮膚の一番下の部分)」に多く存在しています。皮膚には表皮層と真皮層があり、真皮層は約2mmの深さのところにあります。よって、約2mmほどの深さに圧力を加えるだけで、Aβ神経に刺激を加えることができます。
Methods自分でできる3つの方法
①さすり ②押さえる は補助。本体は③固定式てい鍼(テープで圧を続ける)です。
① 痛い痛いの飛んでいけ(さする方式・補助的ケア)
「さする」というのは有効です。さする手が「2mm」ほど沈み込む程度の、ほんの少しの圧をかけると良いです。しかし、「痛い痛いの飛んで行け」が終わると、Aβ神経のスイッチがOFFになるので痛みもすぐに出ます。後述の高野鍼灸セルフケア法と併用していただいても良いです。
② 指先で押さえる(短時間圧力・補助的ケア)
これも押圧が終わると、Aβ神経のスイッチがOFFになるので痛みもすぐに出てきます。強く押さえたほうが効くと勘違いして、ごりごり強く押しすぎると、組織が潰れるように損傷し、微小な腫れ(時に大規模な腫れ)などを伴う急性症状が生じ、その腫れが治まった頃にそれ自体が慢性化するので、元からの慢性痛に、新しい慢性痛が上書きされ、頑固な慢性痛に成長(悪化)していきます。
指先で押さえる方法はあまり推奨しませんが、やるのであれば、補助的に2mmほど押さえる程度で十分です。本当に軽くお願いします。押さえると、すぐに筋肉や骨の硬い部分を指先に感じると思いますが、それを感じる手前ほどで十分かと思います。簡単な目安としては、個人差もありますが、押さえた時に、爪の先端がほんの少しだけ白くなる程度で十分です。
Rice③ 米粒てい鍼(長時間圧力・セルフケアの本体)
※ 使用禁止:米アレルギーの方、テープにかぶれやすい方、痛みや腫れが強く医師の診察を優先すべき方。
絆創膏などのテープに米粒をつけ、痛いところに貼る——たったこれだけで、数時間から数日にもおよぶAβ神経の持続的な刺激が可能です。
- 入浴前には必ず剥がす
- お風呂に入らない場合でも毎日交換
- 米粒はよく洗い、消毒用エタノールなどで消毒してから使う
- テープは、人体に貼ることができるものに限定(それ以外は絶対に使用しない)
(メリット)簡単にムチとしての道具を、お金をかけずに自作できる。(デメリット)米アレルギーの方は禁止。テープにかぶれやすい人も使用しないほうが良い場合がある。
この米粒「てい鍼」こそが、誰にでも簡単にできる「痛みを『いつの間にか忘れさせる』簡単な高野鍼灸セルフケア法」です。
※ どこに貼るかは、一度 GCT(てい鍼治療) を受けていただき、貼り方と位置の考え方を確認されてからセルフケアとして始めるのがおすすめです。
それでも来院できない方は、上の動画を参考に、ご自身の判断と責任のうえでお試しください。当院では貼る位置の個別確認ができませんので、無理のない範囲で行ってください。
Stainlessステンレス製固定式てい鍼
Aβ神経刺激に特化したステンレス製のてい鍼(円錐状)なら、より簡単に、刺激のばらつきなく続けられます。
もっと効果的で簡単にできる方法があります。それは、Aβ神経に刺激を加えることに特化したステンレス製の「てい鍼(円錐状)」です。これは、1c㎡あたり、5kgで押さえるという、Aβ神経刺激に特化した道具で、テープとセットになっており、シールのような感覚で貼ることができます。
- 患部のAβ神経にしっかり刺激を与えやすい(1c㎡あたり約5kgで設計)
- ステンレス製の粒で清潔
- 「てい鍼」が「テープ」にセットされており、米粒のように自分で作る必要がない
- 皮膚にしっかり固定されるので、皮膚の弱い方はかぶれる可能性がある
当院の 完全無痛・運動てい鍼(GCT) では、このステンレス製固定式てい鍼を使い、院内で貼り方と位置の考え方を確認していただいたうえで、ご自宅のセルフケアに使っていただけます。
Get材料の入手(再購入)
ステンレス製固定式てい鍼(1シート)は、来院またはLINEでお求めいただけます(1,650円・税込/1シート)。
- 来院 — 1シート1,650円(税込)
- LINE — 友だち追加(@takano89)のうえ、「てい鍼1シート希望」とお名前・ご住所・電話番号をトークでお送りください。着払いで発送します(送料は地域により異なります)
※ LINEはてい鍼(材料)の購入専用です。治療の予約は受け付けていません。治療の予約はネット予約またはお電話(0985-48-3102)で受けたまります。
初めて院内でGCTを受けたい方は、ネット予約で「はじめて」、一言欄に「ていしん」または「GCT・てい鍼希望」とご記入ください。くわしくは GCT の案内 をご覧ください。
Safetyこんなときは、先に医療機関へ
セルフケアを始める前に、次のような場合はまず医療機関の受診をおすすめします。
医療機関の受診を優先してください
- 痛みや腫れが強く、いつもと違う
- しびれ・麻痺が急に強くなる、力が入りにくい
- 排尿・排便の異常
- 発熱を伴う痛み
- 転倒・事故のあとの強い痛み
セルフケア(米粒・固定式てい鍼)を始めないでください
- 米アレルギーの方(米粒てい鍼)
- テープにかぶれやすい方
※ 上記に当てはまらない場合でも、判断に迷うときは医療機関または当院へご相談ください。
迷ったときはまず医療機関へご相談ください。当院では次のように対応します。
- 医師の診断で問題がなければ、鍼灸で進められます
- 当院に直接来ていただいた場合も、問題がなければそのまま進めます
- 医療機関への紹介や受診をすすめる場合でも、鍼灸を同時に進められることが多いです
- 鍼灸での対応が難しい場合は、明確にお伝えします
- 治療中に別の症状に気づいた場合も、受診を強くおすすめします
FAQよくある質問
- さすったり押さえたりするだけでは足りませんか?
- さすり・押さえはAβ神経のスイッチを短時間ONにする補助的な方法です。手を離すとOFFに戻りやすいため、高野鍼灸セルフケアの本体は、テープで固定して圧を続けられる固定式てい鍼(米粒またはステンレス製)です。経過には個人差があります。
- 米粒てい鍼は誰でも使えますか?
- 米アレルギーの方、テープでかぶれやすい方、痛みや腫れが強く医師の診察を優先すべき方は使用しないでください。入浴前に剥がし、毎日交換し、同じ位置に貼り続けないでください。貼る位置の個別確認は、来院がおすすめです。
- ステンレス製固定式てい鍼との違いは?
- どちらもテープで固定してAβ神経に圧刺激を続ける点は同じです。ステンレス製は1c㎡あたり約5kgの圧で設計され、テープにセット済みで手間が少ない一方、材料は有料です。米粒は自作できますが、刺激のばらつきや衛生面の手間があります。
- 理論編を読まずに実践編だけ見ても大丈夫ですか?
- ゲートコントロール理論の全体像は理論編で解説しています。実践編は「Aβ神経を長時間働かせる」具体的方法が主題です。初めての方は理論編→実践編の順がおすすめです。
- 院内のGCT(てい鍼治療)とセルフケアの関係は?
- 当院のGCTでは、院内で貼り方と位置の考え方を確認していただいたうえで、ご自宅のセルフケアに使っていただけます。くわしくは完全無痛・運動てい鍼(GCT)のページをご覧ください。
てい鍼(GCT)を院内で学びたい方は GCT の案内 へ。宮崎市大塚台で、刺さない固定式てい鍼をご希望の方は、ネット予約で「はじめて」、一言欄に「ていしん」または「GCT・てい鍼希望」とご記入ください。