緊張型頭痛、片頭痛などの一次性頭痛に対する、鍼灸の有効性の論文が発表されています。
この論文は、頭痛の領域に関する、コクランレビュー、MEDLINE、医学中央雑誌を用いて、鍼灸のメタアナリシス及びRCTの論文を検索し、日本頭痛学会や英国国立医療技術評価機構(NICE)の見解を追加し、文献的考察を行ったものです。
その結果、緊張型頭痛や片頭痛などの「一次性頭痛」に対して臨床効果が報告されており、特に「episodic」な頭痛に対して有効性が示唆されました。
「episodic」な頭痛とは、頭痛の発作が現れて4~72時間持続し、一度治まった後に、再び起こる頭痛のことを言うようです。
つまり、まだまだ研究の必要性はあるものの、緊張型頭痛、片頭痛ともに鍼灸の有効性が明らかになったという事です。
論文の「まとめ」では、
この論文の結果を臨床研究や、「頭痛の鍼灸臨床の現場のおける有効活用」に寄与できることを祈念すると締めくくられておりました。
ということで、
当院においても、頭痛の患者様のためにも、活用させていただくことと致しました。
特に、筋緊張型の頭痛では、43の論文を検討した結果、
- 治療回数は、週1回よりも週2回の方が有効
- 単刺術よりも30分の置鍼術の方が有効
- 置鍼術よりもマニュアル鍼の方が有効
- マニュアル鍼よりも鍼通電療法の方が有効
※「単刺術」針を刺してすぐ抜く施術法。 「置鍼術」針を刺したまましばらくそのまま置く施術法。 「マニュアル鍼」針を抜き差しするなど刺激を与えながら行う施術法。 「鍼通電法」針を刺し、その針に電気を流す施術法。
医学的にも、鍼による刺激を多く与えた方が改善率が高まるという事実を、活用させていただきます。(針の太さや本数でも違いは出ます)
そして、施術の部位は、肩こり、あるいは、頸肩(首肩)の筋肉の緊張部位や圧痛部位付近の「真のツボ(経穴)」に対して行う方が有用なようです。
詳細はまた別項で、述べます。
論文
全日本鍼灸学会誌,2014年64巻1号,p18-36
参照元 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/64/1/64_18/_pdf/-char/ja